Ryuのたそがれ奮闘日記 ― これからの生き方―

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zoom RSS エクセルギー

<<   作成日時 : 2015/03/05 08:50   >>

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 エクセルギーという言葉を聞いたことがあるだろうか?多分、私のようにエネルギー関連の仕事をしている人でもこの事を正しく理解している人は、大変少ないと言ってもいいと思う。

今日は少し硬い内容になるかもしれないが、この「エクセルギー」について話してみよう。

一般的に今私が日々仕事の中で行なっているエネルギーの計算などをやろうとすると、まずは熱力学(熱工学)なるものを学ばないといけない。大学なら工学部の機械系、理学部なら物理化学系の人が対象になるだろう。要するに、中学や高校で学んだ「カロリー計算やジュール熱計算」の専門的な分野だと思ってもらえればよい。しかしさすがに専門的な内容となる。この分野を学び始めるとかなり初期に「エンタルピー」「エントロピー」という言葉が出てきて、この時点でほとんどの学生がこの言葉の意味の理解に苦しみ、ずーっとわからないまま一年を過ごしてしまう。中にはこれだけで熱力学からリタイアする人もいるくらいだ。

「エクセルギー」はこれらの「エンタルピー、エントロピー」とはまた違った内容のとらえかたで、熱力学の本にも出ていない場合も多い。これも単なる熱力学ではなく「エネルギー変換工学」というものの範疇になるかもしれない。

それではエクセルギーとは一体何であるのか? これをそのまま日本語にすれば「有効エネルギー」という意味である。その反対語の「無効エネルギーは「アネルギー」という。

「エネルギー保存測」という重要な基本法則がある。中学高校で誰もが習う法則である。エネルギーは常に保存されていてその総和は変わらないというものだ。すなわちエネルギーは増えることもなければ減ることもないという考えだ。まさしく「不増不減、不生不滅」である。
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でもここでちょっと変だと思わないだろうか?この考え方(法則)が成立つなら何も省エネなどする必要がないのではないか?この考え方からいけば、そう エネルギーは消費しても減ることがないのだから…。

そこでエネルギーの価値ということを考える必要が出てくる。

例えば ここに 100℃のお湯1リットルと20℃の水が5リットル あったとしよう。この場合はどちらも同じ総熱エネルギー量である。しかしここでホットコーヒーを飲もうとすると、20℃の水がいくらあってもホットコーヒーは飲むことができない。すなわちそのエネルギーにはホットコーヒーに対しては価値がない(すなわち無効なエネルギー、アネルギー)ということになる。このように有効的に利用できるエネルギーが「エクセルギー」なのだ。すなわちエネルギーの中にはその価値を取り出せるエネルギー「exergy 有効エネルギー」と取出せないエネルギー「anergy 無効エネルギー」があるということだ。

エントロピーというものがある。これを大学の授業では dS = dQ/T と定義し 総熱量を絶対温度で割ったものだ などと言っている学生がいるが、これでは一体なんの事なのか?まったくその意味が通じない。その学生本人は多分まったく理解していないのだろう。

Wikipediでエントロピーについて調べてみると 「無秩序の度合いを示す物理量である。」などと書かれてある。これではなんの事かさっぱりだ。
「エントロピー増大説」とは 「世界は(自然は)常にエントロピーの小さい方から大きい方に進む。すなわち、自然は秩序から無秩序の方向に進む」 そう話がだんだん哲学的になってくる。
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エクセルギーの話に戻そう。すなわちエクセルギーとは「利用できる有効なエネルギー」ということになる。エネルギーを考える時重要なことは、このエクセルギーをいかに大きくすることができるかということだ。これは私達がいつも考えている機器が、このエクセルギーをより大きくできるようなものであるかどうかということだ。
すなわちエクセルギーの評価が本当は大事な仕事になるということである。しかしなかなかこの意味が理解できる人は少ないということが、少し悲しい気がする。
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「エントロピーが増大する」ということは「エクセルギー」が減少する。「エネルギーの質が低下する」と同じ意味なのだ。

1970年代のオイルショック時、このエクセルギーが省エネルギーに欠かすことができない解析手法だと脚光を浴びた時期があったが、一層の省エネルギーが叫ばれる今の時代、少し音沙汰がなくなった感がある。それでもエネルギー管理士国家試験ではこの2〜3年このエクセルギーの計算問題が出されるようになってきた。その重要性がちゃんと認識されている証拠だろうと思う。

これから本当に省エネを考え、これらに関わる開発をしようとする人は、この「エクセルギー」についてもっと深く学ぶ必要があると思う。

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